双極性障害(躁うつ病)

双極性障害とは

頻繫に情緒不安定になる方、うつ気味だと思っていたら急に元気になったりする方は『双極性障害』かもしれません。

発症率は軽度・重度を合わせて0.4~0.7%だと言われております。これは100人に1人。1000人に4~7人弱です。

うつ病が100人に10人弱なので、うつ病と比べると少ないですが、身近な病気である事に変わりはありません。

発症期は中学生~老年期までと幅広いです。

遺伝に関して

特定の遺伝子は見つかっていないとの事ですが、心が敏感で弱い方はなりやすい体質だと言われております。

家族に双極性障害の方が居ても、なる事の方が少ないです。

症状

ハイテンション(躁状態)と無気力(うつ状態)を繰り返す。

アイデアが次から次へと浮かび、眠らずに活発的になり、自信過剰で買い物などで大金を使ったりします。

躁状態の時は気分が良いので、本人に病気の自覚がない事が多いです。これが原因で病院へ行く事が遅れがちになる事も多いです。

ですから周りのサポートが大切になります。

一般的に、躁状態の期間よりも、うつ状態の期間の方が長いです。

双極性障害Ⅰ型・Ⅱ型

躁状態・うつ状態が激しい場合を双極性障害Ⅰ型と言います。

軽い状態がⅡ型です。

病気のサイン

・日々の睡眠が2時間以上少なくなっても平気

・寝なくても元気

話し続ける

・初対面の人にやたらと声をかける

・人の意見を聞かない

・自信過剰

・次々に出るアイデアを最後までやり遂げない

・性的に奔放になる

又、周りから明らかにいつもと様子が違う事を指摘されたり、心配される場合も、サインとして疑いましょう。

周りを困らせたり、社会的信用を失う場合もあります。

治療

お薬と心理社会的治療で行いますが、薬が基本になります。

状態によって違いますが、主に気分安定薬・非定型抗精神病薬になります。

気分安定薬

躁状態とうつ状態の治療と予防に効果があります。

非定型抗精神病薬

ドーパミンなどの神経伝達物質を遮断する薬で、統合失調症にも使われておりますが、双極性障害にも効果があります。

服薬の他に新たな治療法として、一度注射するだけで、効果が4週間も続く持続性注射剤というのもあります。

2つの薬は再発予防にも効果があります。

症状が多様な為、薬の使い分けは難しくなります。

又、双極性障害のうつに使う薬と、うつ病に使われる薬は違います。うつ病に効く薬は双極性障害のうつには効かないのです。

抗うつ薬には注意

双極性障害に対して、抗うつ薬を服薬していると、うつ状態から急に躁状態を引き起こす『躁転』と呼ばれる症状を起こす事があります。

特に三環系抗うつ薬と呼ばれる、古いタイプの抗うつ薬では、躁状態・うつ状態を年に4回以上も繰り返す、急速交代化

(ラピッドサイクリング)を誘発する事があり、双極性障害には抗うつ薬を使用しない方が良いという考え方の方が優勢のようです。

しかし、双極性障害とは分からずに、うつ病だと思って、抗うつ薬が処方される事があります。

ですから使用の際には注意する事と、躁状態を経験している事が分かっている場合は、医師に申告する事が大切です。

他に使用される事がある薬

睡眠導入剤です。

寝付けない時などの、不眠がある場合に、一時的に用いられます。

一般的にはベンゾジアゼピン系睡眠薬を使いますが、依存性がありますので、医師の指示をしっかりと聞く事が大切です。

双極性障害では、特に睡眠を規則正しく、しっかりとる事が再発予防にもなります。

心理社会的治療

薬と併用して行う事で、効果を発揮します。

カウンセリングではなく、本人が病気を知り、受け入れ、コントロールする事を援助する心理教育になります。

これにより、病気との向き合い方や、再発のサインなどに気付けるようになって行きます。

診断の難しさ

精神疾患は、本人・家族・医師が向き合う事が難しいものだと思いますが、双極性障害は特にそうかもしれません。

躁状態・うつ状態の2つの症状があるからです。

例えば双極性障害の多くの方は、うつ病の症状で病院へ行きますが、診断の結果、双極性障害だったりします。

もちろんその逆もあります。

他にも、治療の最中に発覚する事もしばしばあります。

以下がそのパターンです。

・躁状態に気付けない

・うつ病から回復した元気な状態を、躁状態だと間違う

・治療効果がないと思えばうつ病だった

これらの事から、診断が非常に難しいですが、無理もありません。

何故なら、躁状態とうつ状態が現れるのは、数カ月~数年だと言われている事や、病気とは思えない躁状態(気分が良く元気なだけ)も双極性障害に含まれるからです。

参考 双極性障害(躁うつ病)|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

こころの健康情報局 すまいるナビゲーター | 大塚製薬 (smilenavigator.jp)

ありがとうございました!

最後に

いかがでしたでしょうか? かなり難しかったと思います…でも少しずつ向き合って行きましょうね(^-^)

今回はこれで閉めさせて頂きますが、又追加するなり、別でアップさせて頂くかもしれませんので、よろしくお願い申し上げます。