ネット匿名での、誹謗中傷を見聞きして感じた事がありますので、それをお伝えする事で、何かお役に立てればと思います。
ネットで匿名の書き込みというのは、色々な側面があります。
メリット
誰でも気軽に発信(発言)できる事だと思います
(本名だったら言えない事も)
デメリット
メリットがそのまま裏目に出る事だと思いますがこれがなかなか複雑です。
原因
ネットでの誹謗中傷はちょっとした事がきっかけで起こります。
現実社会と同じで、一人が批判し出すとそれに続く者がいる事で起こる事が多いようです。
そして誹謗中傷する人は、ほとんどが本名ではなく匿名なのです。
この匿名である事が裏目に出て、書き込み内容がエスカレートして行くのだと思います。
被害
被害に関しては、本当に様々です。
書き込み内容が酷いだけでなく、対象者(被害者)のプライバシーを侵害、会社に対する嫌がらせにまで発展する事があるようです。
これが原因で会社をクビにされたり、退職せざるを得ない状況になったりする事もあるのです。
精神が病んでしまい、自ら命を投げ出す事にも繋がっております。
被害者がとれる対処法
弁護士に依頼。
例外はあるのかもしれませんが、警察は匿名での書き込みでは動いてくれないそうです。
弁護士に依頼して、発信者情報開示請求してもらい、これが裁判所に認められると、相手(加害者)を特定する事ができます。
以前はSNSなどの運営会社に、発信者情報開示請求して、認められると電話番号から相手を特定する事ができました。拒否された場合はIPアドレスをプロバイダーに要求して認められると氏名などから相手を特定。
しかし、どちらも拒否される事が多かったようですし、SNS運営会社・プロバイダーと二回に分けての裁判と結果が分かるまで早くても数カ月かかったそうですが、これが法改正により、手続きが簡略化して今では前者になりました。
開示要求を拒否される理由は、誹謗中傷には当たらないと判断されるからです。
何処からが誹謗中傷?
表現の自由が尊重される世の中で、何処からが誹謗中傷に当たるかというのは非常に難しい問題ですが、以下で挙げる事が境界線になっているようです。
権利侵害の程度
身体的特徴を話題(誹謗中傷)
名誉感情侵害
社会通念上、許される限度を超えた侮辱。
程度の超えた人格否定などが、これらに当たります
(聞くに堪えない外見に対する批判など)
何故なら民事上の裁判では、自尊心も保護の対象になるからです。
加害者の人物像
情報が開示されて被害者の方が加害者の見た目に対するイメージというのは、ほとんどが『まさかこんな人が』だと言います。
気の優しそうな人だったり、普通の主婦に見えたりと、ごく普通の人である事が多いようです。
理由
2割が、ストレス解消や楽しいから。
6~7割が対象者や企業が間違っている・許せない・失望したなど。
ここで注目したいのが、全体の傾向として、正しいと思っている事にあります。なので悪気のない加害者は通知などが届いて初めて事の重大さに気付く事もあるそうです。
つまり、誰が書き込む側になってもおかしくないという事ですね。
匿名である事の意義
社会問題になるなら、匿名での書き込みを無くせば良いと思われるかもしれませんが、匿名にもちゃんと意義があります。
メリットで述べているように、誰でも気軽に発信できる事。他にも問題の矢面には立ちたくないが、良い意味でも悪い意味でも言いたい事があるなど。
この良い・悪いどちらでもない事を『価値中立的』と言います。
なので無くならないですし、被害者も弁護士も裁判所も追及する時は慎重に為らざるを得ない訳です。
最後に
ネットでの書き込みというのは気軽に誰もが楽しめる反面、重大な意味も含まれている事がよく分かりましたね。
ネットの普及で我々の生活は、とてつもない進歩を遂げました!そしてそれはまだ成長段階にあります。こんなに便利で恩恵を受けているにもかかわらず、深刻で重大な問題が起きているなんて悲しい事だと思いませんか?
誹謗中傷する理由の2割は、挙げるのも残念でしたが、ストレス解消・楽しいでそこまで追い込まれている方がおられる事をよく考えるべきです。
良い事もあれば、悪い事もあるのが世の常ですが、もう一度各々が考えるべき問題なのではないでしょうか?