パニック障害・不安障害とは
なんの前ぶれもなく動悸・めまい・吐き気・発汗・窒息感・手や足の震えなどのパニック発作に襲われる障害。発作は死んでしまうと感じるほど強烈で、自分でコントロールする事ができません。
パニック障害の特徴として『予期しない発作』というのがあります。これは特定の状況に関係なく起きる発作の事です。ですから、寝てる時に発作が起こる事もあります。
パニック発作は閉所恐怖症の人にも見られますが、この場合は特定の状況にあるので、予期しない発作ではありません。しかし発作が閉鎖的な空間(エレベーターや電車)で起こる事が多いのも確かです。
生涯で1000人中6~9人が発症の可能性があると言われております。又は100人に1人とも? 身近な病気です。
症状
初めのうちはパニック発作だけですが、徐々に『予期不安・広場恐怖』と呼ばれる症状が出はじめ、その結果うつ病を併発する事もあります。
予期不安
パニック発作がまた起きるのではないかという不安が消えなくなる状態の事です。不安のあまり仕事を辞める人もいるほどです。
広場恐怖
パニック発作が起きそうな場所を恐れる事です。
逃げられない・助けてもらえない・恥をかくなどの思いから、そういった場所を避けるようになります。これが引きこもりに繋がっております。
又、1人で外出できなくなると、人を頼っている自分を情けないと思うようになる事もあります。
パニック発作はなぜ起きるのか?
パニック発作は、命を守る為(生き延びる為)に起きるカラダの反応だとも言われております。例えばこの障害がない人でも、強い恐怖心や災害などで命の危険を感じると、同じような状態になる事があります。ウボォー自身も経験があるので分かります。
パニック障害の人はこの状態に、常日頃さらされる可能性があるのです。
病気発覚前は、死んでしまうと思うほど辛い事から、多くの人が救急車を呼んで病院へ運ばれます。脳や内臓に異常が起きたと思われる方が多いからです。現にパニック障害の症状は、心筋梗塞の症状と似ているのです。
運ばれても診察結果に異常がない場合や、どんなに検査しても異常が見つからない方は、パニック障害の可能性があります。
理解されない辛さ
家族や職場などの周囲の人は、診察や検査の結果、異常がなかった事を知ると症状を訴えても全く理解してくれなくなる事があります。仮病だと思われても実際は違いますし、本人にしてみればそれどころではありません。
そんな事から職場を辞める人もおりますし、発作や閉鎖的空間を恐れる事から、段々と引きこもりになりがちです。これは本当に辛い事です。
理解されないうえで大切な事
忘れないでほしいのですが、理解されない辛さがあってもあなたが自分を責める必要などありません。理解されないうえでのネガティブな気持ちはある意味で正常な反応だと思います。
ですから孤独を感じる必要はないと思うのです。そんな気持ちになっても、徐々にで良いので前を向いて突破口を探しませんか?
治療
薬・心理療法により行います。
特に、薬での治療が効果を発揮すると、考えられております。
薬
パニック障害・不安障害は薬物療法が効果を発揮しやすい障害です。
一般的に初めに使われるのは、SSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)という薬で、抗うつ薬の一種です。又、安定剤(抗不安薬)を使う事もあります。
薬の治療は発作を起こさない事、それから『予期不安・広場恐怖』を抑える事が目標になります。
服薬
効果が人によって違う為、量や回数は医師と相談しましょう。自己判断で急に服薬を止める事は良くありません。
SSRIは副作用・依存性が軽い反面、急に止めてしまうと断薬症状で、パニック発作と似た症状が出る事があります。
安定剤は即効性が期待できる反面、長期服用すると依存性が生じる事があります。
心理療法
心理療法では、認知療法と呼ばれるパニック発作に対するカウンセリングを行います。認知療法は、他の精神障害にも幅広く適応します。
又、薬と同等の効果を発揮する事も認められております。
曝露療法(認知行動療法)
医師のもとで恐怖や発作が起きる場所などに対してリハビリを行う事によって症状と向き合って行きます。
曝露療法は認知行動療法の中心となる治療で、広場恐怖を引き起こす場所・場面に実際に向き合う事で徐々に不安・恐怖感に慣れて行く方法と、深呼吸・足踏み・ジョギング等を促す事で擬似パニック発作を誘発する方法があります。
不安場面と向き合う事で、一時的に強い不安を経験しますが、最終的に症状を落ち着かせて行く治療法です。慣れてくる事で徐々に自信がついてきます。
不安・恐怖感の程度は異なりますので、リストアップします。不安度の強いのから弱いのを並べ変え一覧表を作成します。
最も不安度の強いものを100点、感じない状態を0点として、全ての場面に対して点をつけて行きます。一般的に中程度の不安場面(40~50点)から向き合って、徐々に点数が高い場面と向き合う事が効果的だと言われております。
高い点数と向き合う時には、周りの人の支えが大切になります。
参考 パニック障害・不安障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
ありがとうございました!