強迫性障害とは
つまらないとは分かっていても、考えたり行ったりせずにはいられない心の病気です。
神経質なだけではなく、明らかに度を超しており、仕事・生活・人間関係などの日常に支障をきたしてしまうのが『強迫性障害』です。
強迫性障害は、不安障害の一種です。WHO(世界保健機関)の報告では、生活上の機能障害を引き起こす、10大疾患の1つに挙げられております。
病気である事に気付けない事も多いですが、積極的に治療に取り組むことで、治す事のできる病気です。
つい考えてしまう事を『強迫観念』行動に移してしまう事を
『強迫行為』と言います。
強迫観念
頭から離れない考えの事で、考えなくて良い事だと思っていても、意思に反して考えてしまう事。その考えに追われてしまう事。
強迫行為
強迫観念の結果、行ってしまう行為の事です。
その行為をやらずには気が済まず、その行為をやる事に追われてしまう事です。
原因
はっきりとは分かっておりませんが、生育歴・性格・環境・感染症などが影響していると考えられております。
コロナの出現によって、症状にかかる方や、症状悪化する方が居る事は容易に想像できます…
何故、症状が続いて悪化して行くのかについては、解明が進められているそうです。
症状
代表的なのが以下になります。
・不潔恐怖
汚れたと思ってしまう事による、極度の洗浄・入浴・洗濯。汚れてしまう事を恐れてドアノブを触れない。
・加害恐怖
誰かに危害を加えてしまったのではないかと不安になる事。
新聞・テレビで自分の事が報道されていないかと心配になる。周りの人や警察に確認する。
・確認行為
様々な事への過剰確認。指差し・触る・見張るなど。
・儀式行為
決まった手順で物事に取り組む。
そうしないと不安で仕方がなく、どんな時でも同じ方法で取り込もうとしてしまう。
・数字へのこだわり
縁起をかつぐレベルを超してこだわる
・物の配置や対称性へのこだわり
決まった場所に物を置いたり、対称になっていないと気が済まない。
治療
お薬・認知行動療法によって行います。
2つの組み合わせで効果があると考えられております。
薬
抗うつ薬のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)で、状態を安定させてから認知行動療法へと移るのが、一般的だと考えられております。
強迫性障害ではうつ病よりも薬の量が多く、長期間になるので気が引ける事もあり、それが治療の妨げになる事もあります。
そんな時は、その気持ちをそのまま医師に相談する事で、納得して薬と向き合う事ができる筈です。
又、SSRI(セロトニン再取組み阻害薬)は、他の抗うつ薬に比べて副作用も少ないです。
認知行動療法
『曝露反応妨害法』が代表的な治療法で再発予防効果も高いです。
強迫観念や強迫行為と向き合って、徐々にならしていく事で治療して行きます。
例えば強迫観念に対して、できるだけ考えないように向き合ったり、強迫行為に対しては、実際に日常でしてしまう確認作業までの再現をして、その時に作業をしないようにします。
具体的には『手洗いや鍵の閉め忘れを気にして戻るなど』です。
アドヒアランス
本人が治療方針決定に関わる事で、治そうという意欲を高めて効果を上げる事です。
周りへの影響
強迫性障害は、本人だけでなく、周りに影響を与えてしまう事も少なくありません。強迫行為によって、時間が守れなかったりして、人間関係や仕事に影響を及ぼします。
又、本人が周りに自分の強迫観念や強迫行為を押し付けてしまう事もあります。
そんな時には、病院へ行きましょう!
周りの方に覚えておいてもらいたい事
本人があまりにも融通が利かなかったり、強迫観念や強迫行為を押し付けられた事が原因で、感情的になってしまう事があると思います。
人間ですから、それも普通の事です。
しかし、忘れないで下さい。
『一番苦しんでいるのは本人だという事を』
分かっていてもやめられないのです。
時には叱る事も大切かもしれませんが、できるだけ寄り添う事が大切だと思います。本人を悪いと思わずに、病気が悪いのだと考えましょう!
最後に
いかがでしたでしょうか?
これで少しは『強迫性障害』の事が分かって頂けたかと思います。
自分が当てはまっていた事に気付いた方も、居られたかもしれません。
日々辛いかもしれませんが、意識して向き合って行きましょう。そうする事で、少しずつ改善して行きます☆
焦らずにゆっくり行きましょう。
症状が酷い時には病院へ行くようにしましょう!
参考 強迫性障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
ありがとうございました!