過食症とは
食のコントロールができずに頻繁に過食した後に、その埋め合わせとして意図的に嘔吐したり、利尿剤や下剤を大量使用したりする事を繰り返す事で、身体や日常生活に支障をきたす、心の病気です。
正式名を、『神経性過食症』や『神経性大食症』と言います。
やけ食いのような一時的なものではなく、長期である事が多いですが、病気かどうかの判断が難しい事があるのも確かです。
やけ食いとの大きな違いは『やせている事が理想』だったり
『太っている事は醜い』と感じている所です。
そのうえ、過食・排出行動などしてしまう自分に、自己嫌悪を感じて、それがストレスになり、また過食してしまうという悪循環に陥るのです。この点がよく似ている、拒食症(過食排出型)と違う点でもあります。
過食のイメージから、太る事を想像するかもしれませんが、排出行動でやせていく事の方が多いです。
症状に関しては隠れて行う事も多いので、周りは気付かず、本人も病気である事を自覚できない事があります。
症状
詰め込むように、一気に食べる事です。
過食症は、意思で止められると思いがちですが、自分の意志ではコントロールできない事がほとんどです。
過食の時間以外は、絶食の事もあります。
過食症と判断する事が難しい事もありますが、アメリカの診断基準では、週に1回でも過食がある場合には、治療が必要だと言われております。
嘔吐や下剤による下痢でカリウムが失われ、不整脈が出る事もあります。
体重は正常でも、血液検査や心電図検査が必要になる事もあります。
又、嘔吐を繰り返す事による吐きだこができたり、胃酸の影響で歯のエナメル質が溶ける事により、虫歯や逆流性食道炎になる事もあります。
心理的には、体重が増えると『失敗』と感じたり、酷い時には
『生きている価値がない』と思ってしまう事もあります。
過食代もかかる事から、金銭的にも負担がかかります。
以下の方は、症状が出やすい方になります。
・自尊心が低い
・人の言葉や態度に敏感
・ストレスを感じやすい
・人生の転機(自立・就職・転職・退職・結婚など)
治療
徐々に過食・嘔吐を減らして行きます。
過食の時間以外、絶食の方はより改善に時間がかかる事があります。
規則正しい生活をし、そのうえでと薬物療法と心理療法を取り入れて行きます。
お薬
抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が、効果的だと言われております。ただし、長期効果については、不明だとも言われております。
他の精神疾患を併発している場合には、そちらの治療も行なって行きます。
心理療法
認知行動療法になります。
本人が状態を記録して、それを検討しながらコントロールして行きます。
薬だけでは治療は難しいと考えられておりますので、心理療法が大切になってきます。
周りの人が気をつけるべき事
過食症の方は、食べる時に一気に詰め込んで食べたり、食事中や食後にトイレに入って出てこなかったり、家の食べ物がよくなくなったり、夜中に起きて食べたりします。
こういった症状に気付いた時には、一度本人を病院へ連れて行きましょう!
過食症だと分かると、周りの方はつい食事に対して干渉してしまいがちですが、それは良くありません。
他の話しをして楽しみ、気を紛らわせるようにしましょう!