拒食症とは
摂食障害の一つで、体重が増える事を恐れる事から、過度な食事制限やダイエットをしたり、食後に意図的に嘔吐したりする事がある心の病です。
正式名を『神経性やせ症』や『神経性無食欲症』と言います。
やせているにも関わらず、太っていると感じる事もあります。
極度の栄養失調で突然死を起こす事もある深刻な病で、年齢・性別に関係なく、誰でもかかる事のある病気です。
10~20代でかかる方が多く、男女比は女性の方が多いですが、アメリカの調査によると、男性の数も増えてきているそうです。
原因
『ダイエット』である事が多いです。
やせていく自分に満足感を感じる事で『もっとやせたい』と思うように。又、SNSで自分の姿(やせている事など)が評価される事が悪化に繋がっている事も多いでしょう。
他には、人間関係や社会的ストレスなどがあります。
症状
2つのタイプに分ける事ができます。
・摂食制限型
極度の食事制限や過度な運動(ダイエット)をする事がありますが、過食による嘔吐や利尿剤・下剤を使った排出行為をする事はありません。
・過食排出型
極端な食事制限で飢餓状態になり、その反動で過食後、意図的に嘔吐したり、利尿剤・下剤を使用しての排出行動を行います。
以下では、2つのタイプの身体と心の症状を、まとめてご紹介させて頂きます。
身体
・体重急減少
・低体温、低血圧
・倦怠感
・月経が止まる
・便秘
・不眠
・腎不全
・結核
・骨粗しょう症
・脳委縮
・皮膚乾燥
・手や足の裏が黄色になる
・食道炎
・吐きだこ(嘔吐の繰り返しで、できるたこ)
・虫歯
心
・イライラする
・抑うつ気分
・集中力や記憶力の低下
・体型や体重の事をいつも気にしている
初期対処が大切です。
症状が酷くなると、逆に過食症になる事もあります。
他にもうつ病・不安障害・強迫性障害を併発する事もあります。
大変複雑になってしまいますので、初期対処が大切になる訳です。
治療
食・生活の指導を受け、規則正しい生活をする事を目標にします。
食事量を少しずつ増やして行く事で、体重を元の状態に戻して行きます。
重度の場合は、入院が必要になる事もあります。
心理療法
身体が回復してきたら、この段階に入ります。
病気故の間違った自己評価や、こだわりを改善して行く為に
『認知行動療法』を行います。
人間関係のストレスが原因の場合は『対人関係療法』を行う事もあります。
お薬
拒食症に直接効く薬はないと言われておりますが、症状による身体の異常に対して、薬で対処する事があります。
他の精神疾患を併発している場合には、薬で対処する事が、拒食症の状態を和らげる事にも繋がります。
周りの方の対処法
本人に病気の自覚がなかったり、深刻に捉えていない事から、途中で治療放棄する場合があります。
そんな時や、治療が長期になる場合には、周りの方のサポートが大切になります。
同じ病気の悩みを持つ自助グループや、家族会に参加するのも良いでしょう。